【其の1】「ZenFone 2 Laser」「P8 lite」「gooのスマホ g03」どれ選ぶ?約3万円のSIMフリー端末の比較とメリット・デメリットを紹介!

ここ最近、SIMフリー端末はかなり増えてきましたね!MVNOで使用するためにSIMフリー端末を探している人も多くなってきたと思います。そんな中、「誰にでも」オススメできそうな約3万円で販売されているSIMフリー端末の3機種をレビューしていきたいと思います。
今回紹介するSIMフリー端末はこちら ↓
- ASUS ZenFone 2 Laser
- Huawei P8 lite
- gooのスマホ g03 (グーマルサン、ZTE Blade Sをベース)
この3機種を発売当初からずっと使っていたのですが、本当にどれもかなりよい端末です。SIMフリー端末を初めて使ってみようと思っている人にも間違いなくオススメできる端末に仕上がっています。そんな3機種ですが、やはりそれぞれの端末でメリット・デメリットが存在します。そんなメリット・デメリットを中心に、今回は比較して紹介していきたいと思います。
まず何を選ぶか (何をメリットとして、何をデメリットと感じるか) は、ホントに個人差がありそうなだと感じる3機種です。それぞれの特徴と、実際の使用感などを中心にお伝えしたいと思います。
で、結論からすると、どれを購入するかは「個人の使い方次第」かと (当たり前ですが…) 。
メリット・デメリットに加えて、用途が一番の重要ポイントになってくると感じました。
この3機種はどれも「約3万円」で「ミドルレンジ端末」に位置付けられます。
どれも同じような値段ですが、「3Dゲームをゴリゴリと動かしたい!」や「Lineやメールできれば十分」「電池持ちがよければ低スペックでも問題ない」などの「端末の使用目的」によって、どれが合っている端末かは変わってきます。レビューを参考にして、どの端末が自分に合っているのか選んでみてください!
では、レビューしていきたいと思います!
性能スペックと快適さ
まずは、性能部分の基本スペックを見てみましょう。
基本スペックは下記の通り。
スペック情報 | ZenFone 2 Laser | P8 lite | g03 |
---|---|---|---|
OS | Android 5.0.2 64bit | Android 5.0.1 32bit | Android 5.0.2 32bit |
SoC | Snapdragon 410 | Hisilicon Kirin 620 | Snapdragon 615 |
CPU | Cortex-A53 1.2GHz x 4 |
Cortex-A53 1.2GHz x 8 |
Cortex-A53 1.0GHz x 4 + Cortex-A53 1.5GHz x 4 |
CPU総コア数とbig.LITTLE | 4コア | 8コア big.LITTLE |
8コア big.LITTLE MP |
GPU | Adreno 306 450MHz |
Mali-450 MP4 700MHz |
Adreno 405 550MHz |
画面解像度 | 1280 x 720 | 1280 x 720 | 1280 x 720 |
RAM (メモリー) | 2GB | 2GB | 2GB |
見ての通り、スペックに関しては「P8lite」と「gooのスマホ g03」がよい感じです。すべての端末が、ミドルレンジの位置付けですが、「ZenFone 2 Laserはミドルレンジでも下位クラス、P8lite、g03は上位クラス」といえそうです。
普段使いなら、どれも動作感に差はない
例えば、Web閲覧やLine、メールなど基本的な動作だけに使用する人には、どの端末でも差を感じません。実際に使っていて、どれも快適に動作するので不満は全くありませんでした。
多くの方が日常生活に必要最低限の使い方しかしなと思います。「ZenFone 2 Laser」がスペック的には一番低いですが、64bit対応した端末のおかげか、かなり快適です。
ゲームをするならP8liteかg03
ハイスペックな端末ではないですが、P8liteとg03は8コア搭載となっており、負荷がかかる作業などでも比較的快適にこなすことができます。とくに3Dゲームなどでポリゴンがゴリゴリと動くようなアプリを使ったりする場合、P8liteかg03を選びましょう (3Dゲームする人には、スナドラ800クラスのハイスペック端末をオススメしますが、ある程度はこの2機種でも動きます) 。
ZenFone 2 Laserでは、AnTuTu Benchmarkのフルポリゴンでのテスト部分で処理落ちが発生しており、FPSが2〜5ぐらいとかなり厳しそうな印象でした。
(P8liteやg03ではFPSは20前後で「まぁまぁかな…」という印象。物足りないと感じる人はハイスペック端末を購入した方がよい)
AnTuTu Benchmarkでベンチマーク比較
スペックの大きな指標として、AnTuTu Benchmarkのスコアを比較してみました。

左からP8lite、ZenFone 2 Laser、g03
項目 | ZenFone 2 Laser | P8 lite | g03 |
---|---|---|---|
総スコア | 23357 | 33422 | 30281 |
マルチタスク | 4168 | 3386 | 3603 |
Dalvik | 2354 | 2802 | 2910 |
整数演算 | 2899 | 3614 | 2396 |
浮動小数点演算 | 2356 | 3296 | 2213 |
Single-thread integer | 1223 | 1235 | 1533 |
Single-thread float-point | 971 | 1192 | 1469 |
RAM演算能力 | 1173 | 2871 | 1843 |
RAM速度 | 1733 | 2576 | 1895 |
2Dグラフィックス | 1049 | 1655 | 1650 |
3Dグラフィックス | 3338 | 8676 | 9593 |
ストレージのI/O | 1428 | 1349 | 541 |
データベースのI/O | 665 | 670 | 635 |
AnTuTu Benchmarkのスコア順は、
P8lite > goのスマホ g03 > ZenFone 2 Laser
となりました。
P8liteとg03は比較的近い数値となりましたが、ZenFone 2 Laserは23,357と他の2機種とかなり離れたスコア結果となりました。妥当な結果といえるのではないでしょうか。
SoCがSnapdragon 410の32bit端末の場合、AnTuTu Benchmarkのスコアは20,000前後が多いので、ZenFone 2 Laserが+3,000ぐらいのスコアとなり、かなり良い数値に思えます。64bit対応している点でスコアが伸びたのだと思います。
3DMarkでベンチマーク比較
では、今度は3DMarkでベンチマークを比較してみたいと思います。

左からP8lite、ZenFone 2 Laser、g03
項目 | ZenFone 2 Laser | P8 lite | g03 |
---|---|---|---|
総合スコア | 4343 | 5672 | 8287 |
Graphics score | 3787 | 5206 | 8929 |
Physics score | 9048 | 8580 | 7139 |
Graphics test1 | 21.2FPS | 19.8FPS | 47.8FPS |
Graphics test2 | 13.5FPS | 26.4FPS | 32.7FPS |
Physics test | 28.7FPS | 27.2FPS | 22.7FPS |
総合スコアの結果は
gooのスマホ g03 > P8 lite > ZenFone 2 Laser
となりました。Snapdragon 615搭載している「g03」が、一番よいGPUという印象です。物理シミュレーション (Physics score) だけは、ZenFone 2 Laserが一番良い結果となっていました。基本的にg03の方がCPUは良いはずですが、Snapdragon 615は、big.LITTLE MPなので8コア全てを動かさずに、動作アプリによって動かすコアを最適化します。なので、コア数を自動的に制御したのかもしれません (実際は、どうなのか不明ですが…) 。
また、思っていたよりもg03がP8 liteと差をつけた結果となりました。3DMarkベンチテスト中に画面を見ていたのですが、P8 liteとg03では然程フレームレートに差がないように感じたのですが…やはり3端末の中で一番スペックが低いZenFone 2 Laserだけはフレームレートが低いのはハッキリと目に見えて分かるぐらいで、3D表現は向いていないと感じました。(3端末とも1280×720の解像度)
スペックまとめ
見てきた通り、「P8 lite」と「g03」はミドルレンジでも上位モデル、「ZenFone 2 Laser」はミドルレンジの下位モデルという形となりそうです。同じ価格帯の端末であるので、スペック部分だけを考慮するならば「P8lite」や「g03」を選ぶとよいでしょう。
ただ、Web閲覧やLineなどの2Dグラフィックスでの基本的な動作感は「P8 lite」「goのスマホ g03」「ZenFone 2 Laser」で、どれも体感では変わりません。ライトユーザーであれば、どれを選んでも動作感の差を感じることはないでしょう。とくに、一番スペックが低いZenFone 2 Laserであっても「ここまで快適に動くんだ!」と感じる人の方が多そうです。それぐらい出来がよいです。
P8 liteとg03はSoCが異なるため、どちらの方がスペックがよいなど断言はできませんが、Kirin 620とSnapdragon 615を比べると、Kirin 620の方が3D描画が少し弱い印象を受けました。AnTuTuと3DMarkのスコアを考慮すると、gooのスマホ g03がスペック的にはバランスが一番よい気がします。
個人的な感想としては、3Dゲームをしないのであれば「ZenFone 2 Laser」、ゲームをゴリゴリとしたいのであれば「P8 lite」「gooのスマホ g03」を選んであげるのがベストではないかと思います。
ストレージ容量は?
ストレージはどれも16GBとなっており、全て同じですが、g03はかなり注意が必要です。まずは、ストレージ容量と初期時のストレージの空き容量を確認してみましょう。
スペック情報 | ZenFone 2 Laser | P8 lite | g03 |
---|---|---|---|
ROM (ストレージ) | 16GB | 16GB | 16GB ※ストレージ分割あり |
初期時のストレージの空き | 約10.3GB | 約9.8GB | 約3GB + 約7.1GBに分割 |
ストレージで、初期時の空き容量が一番多いのは、「ZenFone 2 Lasaer」でした。ただ、どれも似通ったものなので、特に気にする必要はありませんが、g03のストレージが分割されている点に注意が必要です。
g03はユーザーが使えるストレージ領域が2分割されており、初期時の空き容量は約3GBと7.1GBにパーテーション分けされています。前機種となるBlade Vec 4Gも同じように分割されており、何故ストレージが分割するような仕様にしているのか不明ですが (昔は2分割の端末が多かったけど、今では稀) 、これが「非常に使いにくい」仕様になっています。

ユーザーROM領域 (3.87GB) と内蔵SDカード (7.71GB) に分割されている
ユーザーROM領域 (初期時の空き容量:約3GB) には、基本的にインストールしたアプリなのが格納されます。そして内蔵SDカード(初期時の空き容量:約7.1GB) には、インストールされたアプリ以外のものが格納されます。アプリの追加読み込みデータや写真などが内蔵SDカードに格納されることが多いようです。
というこで、16GBのストレージですが、アプリは約3GBぐらい (実際にはもっと少ない) までしかインストールできません。アプリの総容量が5GBぐらいがある人は、容量不足となり、全てのアプリはインストールできないのです。
これは結構困る人がいると思います。わたしも一時期、かなり大容量のアプリをインストールしていたのでユーザーROM領域の容量不足に陥り、アプリがインストールできない状態となりました (この時、内蔵SDカードには約3GBぐらいの空きがありました) 。ストレージが分割されていなければ、全てのアプリのインストールが可能だったため、泣く泣くアプリを削りました。
アプリ数が多い人や大容量のアプリを使う人は、「ZenFone 2 Laser」か「P8lite」を選んだ方が無難です。ストレージ分割されている「g03」では、アプリ容量が収まらない可能性がある人は、後々必ず困るので避けましょう。
SDカードの容量はどこまでサポート?
各端末でSDカードがどこまで対応しているのか、調べてみました。
スペック情報 | ZenFone 2 Laser | P8 lite | g03 |
---|---|---|---|
公式サポートの最大容量 | 128GB | 32GB | 32GB |
使えた最大容量 | 128GB | 128GB | 128GB |
※実際に使えた最大容量は個人的に調べたものです。自己責任でお願いします。
公式サポートでは、「ZenFone 2 Laser」が128GBまで、「P8 lite」「g03」は32GBまでになります。128GBのmicroSDXCカードをP8 lite、g03に挿してみたところ、特に問題無く使うことはできました。自己責任となりますが、興味がある人は使ってみてもよいかもしれませんね。
公式サポートで128GBまで対応しているZenFone 2 Laserが一番安心して使うことができますが、他の2機種も使える結果だったので、特にSDカードに関してはどれも問題ないでしょう。
※ くれぐれも、P8 lite、g03で32GB以上のSDカードを使う場合は自己責任で。
対応バンド (周波数) について
項目 | ZenFone 2 Laser | P8 lite | g03 |
---|---|---|---|
LTE |
2100MHz (B1) 1800MHz (B3) 850MHz (5) 800MHz (B6) 900MHz (B8) 1700MHz (B9) 800MHz (B18) 800MHz (B19) 700MHz (B28) |
2100MHz (B1) 1800MHz (B3) 850MHz (B5) 2600MHz (B7) 900MHz (B8) 800MHz (B19) 700MHz (B28) 2300MHz (B40/TDD) |
2100MHz (B1) 1700MHz (B3) 800MHz (B19) |
W-CDMA |
2100MHz (B1)
1900MHz (B2) 850MHz (B5) 800MHz (B6) 900MHz (B8) 800MHz (B19) |
2100MHz (B1)
850MHz (B5) 800MHz (B6) 900MHz (B8) 800MHz (B19) |
2100MHz (B1)
800MHz (B6) 800MHz (B19) |
まず見ての通り、ドコモ系MVNOで使うのにはどの端末も問題ないといえます。3端末ともLTEのBand21(ドコモ)に対応していませんが、Band21は速度対策を目的としているので対応していなくてもエリア的に問題ないはずです (もちろん、対応している方がよいですが…) 。
「ZenFone 2 Laser」は、ドコモ、ソフトバンク (Y!mobile)、auと3キャリアのバンドに対応しています。ただし、技適取得情報が現時点では総務省の技適照明を受けた機器のデーターベースにまだ登録されてないようで分からず、ネット上の情報によれば、ドコモ以外はアウトとの情報がありました。
auの場合は、LTE Band1がPHS保護の技適ではないため使えない趣旨をASUSサポートから回答を得ています。なので、au (au系MVNO) では使うことができません。
auのBand1の問題に関しての詳しい内容はこちら ↓
auは無理にしても、ソフトバンクやY!mobileはどうでしょうか?
これもサポートに確認してみたところ、確かにソフトバンクでは使えない様な内容の趣旨の返信がありました (ASUSのサポートが日本人ではないため、ちょっと意味不明でしたが…) 。少し個人的な解釈をすると、どうも端末が対応していないわけではなくソフトバンクがサポートしていない (ソフトバンクが使えると言っていない) ため、利用ができないと案内しているようです。またソフトバンクSIMの場合、IMEI制限やAPNが分からないなどの点から、分かる人&自己責任でという意味で、サポートでは使えない趣旨で案内している印象も受けました。
そして、Y!mobileに関しては「問題なく使える」との返答を貰いました。
この時点でお分かりかもしれませんが、Y!mobileで使えるのであれば、ソフトバンクでは技適の関係で使えないわけではありませんね。また、Y!mobileのサイトではZenFone 2 Laserが使用できる端末としてリストに記載しています。
「P8 lite」はZenFone 2 Laserと同じように、ドコモとソフトバンク (Y!mobile) に対応しています。 P8liteは、国内で使う場合の対応バンドはZenFone 2 Laserと同じです。ZenFone 2 Laserは、P8liteでは対応していないauのB18に対応していますが、auは技適の関係で使えないので同じと見なしています (なんかZenFone 2 Laserは暗黙的にauでも使えるようにB18も対応している気がしますが、気のせいですよね? 笑) 。
「gooのスマホ g03」はドコモだけにしか対応していません。完全にドコモ/ドコモ系MVNOでの使用を目的とした端末となっていますね。
この状況からすると、対応バンド (周波数) の面では、
ZenFone 2 Laser = P8 lite > gooのスマホ g03
となるでしょう。
個人的にもう少し突っ込むと、P8 liteで対応しているB7はグローバルバンドとして幅広い国 (事業者) で対応
しているので、非常に嬉しかったりします。そういった意味では、「SIMフリー端末として」はP8 liteが一番よい気がしますけど、国内で使用する分には気にならないでしょう。
液晶とタッチパネル
液晶とタッチパネルに関しては、どれも全く問題ないと感じています。

タッチパネルは全て10点タッチ。
液晶の質はどれもかなり良いと感じていて、約3万円端末であっても全然ハイスペック端末に引けをとらないと思います (解像度の違いは抜きにして) 。個人的にはg03の液晶の綺麗さは目に見張るものがあります。本当にオススメです。
国内のSIMフリー端末の最大輝度は、キャリア端末よりも暗く (低く) 、野外での使用ではかなり見えにくいものがばかりです。この3端末も例外ではなく、キャリア端末と比べると暗いと感じます。ただ室内で使う分には全く問題はないレベルであり、最大輝度は「g03 => ZenFone 2 Laser > P8 lite」の順だと感じました。

最大輝度が一番暗いと感じたP8 liteでも室内では十分の明るさを確保できていると思います。
ZenFone 5の最大輝度が暗すぎた (わたしは室内で使っていても暗いと感じます…) ので、ZenFone 2 Laserでも心配していま したが、全く心配無用でした。また、フラッグシップ機のZenFone 2 (ZE551ML) よりも最大輝度は明るいと感じました。
最小輝度に関しては、P8 liteが一番暗く感じ、次にg03とZenFone 2 Laserといったところでしょうか。
私自身、どのSIMフリー端末でも輝度はMAX状態で使う (キャリア端末の場合、MAXだと明るすぎると感じますが) ことが多く、自動設定だと暗く感じる場合が殆どです。そういう方には、最大輝度が少しだけ他の端末よりも明るいg03が一番使いやすいと思いました。

液晶の色温度は、各端末とも、色温度が変更できるようになっています。
一番自由に変更できるのが、ZenFone 2 Laserで、「手動設定」ではかなり自由に変更可能です。P8 liteは「暖色」と「寒色」の間でスライド式で指定ができます。g03に関しては「ナチュラル」と「カラフル」の2択だけになります。やはり指定幅が広い「ZenFone 2 Laser」が好みの色にしやすいと思います。
個人的には、g03の液晶の綺麗がかなり気に入っています。g03は発色もよく本当に白が冴えるのでオススメですが、P8liteやZenFone 2 Laserを選んでも満足できるレベルだと思います。
其の1 終わり
この記事は2部構成としています。次の記事のリンクはこちら ↓
2記事目には「電池持ち」「デュアルSIM」「OTG」「センサー」などをレビューしています。2記事目も是非、目を通してみてください!
P8 liteのBandにTDD-LTE B40とW-CDMA B5が記載されてないです。
STARさん
ご指摘ありがとうございます!
完全にミスです…修正しました。
以下の記事からbig.LITTLEはkirin620には非搭載かと思ってました。http://huaweinews.com/2014/12/kirin-620-processor/