今回は、『OCN モバイル ONE』の「500kbpsコース(7GB/月)」をレビューしてみたいと思います。
まずは、このプランに関して基本的な情報を。
- 月額料金 : 1,800円(税込1,944円)
- 高速通信量 : 7GB/月
- 通常の最大速度 : 500kbps
- 通信規制対象データ量 : なし(7GB使い切ると最大速度200kbps)
- 高速通信チャージ: 0.5MB/500円(チャージ時の速度は下り最大150Mbps)
詳しいプラン内容はこちら: OCN モバイル ONE | MVNO(格安SIM)一覧表
このプランの特徴は、7GBまで制限が掛かることなく最大速度500kbpsで使用できる点です。そして月額料金が2,000円以下と、それほど高くない料金設定が魅力的です。
他社MVNOの「7GBプラン」は、高速通信時が「500kbps」よりも速いものが多いが、月額料金が3,500円以上とかなり高額になり、ここまで安い料金体制のものはありません。
「500kbpsコース」を選択した理由
「7GBもデータ通信使わないし、500kbpsって遅くない?」
って思っている人も多いと思います。
また、
「このプランを使う人ってどんな人なの?」
と思うかもしれません。
わたしが使用しようと思った理由は、1日に100MB以上の通信をする事があり、各MVNOのプランは、3日間で366MB以上の使用で低速制限に掛かってしまうのもがほとんどです。
そして制限がかかった低速時の最大速度「200kbps」にストレスを感じていたことで、「速度制限が掛からず、ある程度の速度を確保できるプラン」を探した結果、『OCN モバイル ONE 500kbpsコース』と使うという経緯になりました。
基本的にスマホで使用予定だったので、「500kbpsの速度が出れば快適なはずだ」と判断しての結果です。(テザリングやWi-Fiルーターで使う人にもオススメな結果でした!)
最大速度「500kbps」は出るのか?
「500kbpsコース」も他のプラン同様に「ベストエフォート型」でのデータ通信です。「500kbps」は最大速度であって、必ずその速度が出るわけではありません。
「ベストエフォート型」を簡単に説明すると、自分が使用している時間帯に、多くのユーザーが使用すればするほど、速度が遅くなっていきます。一定の帯域をみんなで分けあって使うので、その分速度が出なくなります。
そこで、疑問がわきます。
「最大速度『500kbps』なのに、実際に『200kbps』ぐらいしか速度が出なかったらこのプランの意味ないよね?」と。
もし「200kbps」しか速度が出ないようであれば、「50MB/日コース」で良いわけです。低速200kbpsで無制限に使用でき、月額料金900円なので。
「500kbpsコース」は
「常に500kpbs程度の速度が出る」
「7GB/月に達するまで、何も通信規制がかからない」
「格安な料金設定」
の3つが揃って、始めて魅力的なプランとなります。
どれか1つでも欠けてしまうと「500kbpsコース」を選ぶ理由が無くなってしまうと思います。
この3つの中で、「通信規制」と「料金体制」は、すでにプランの決まり事なので問題ありません。なので注意するのは、ユーザー数によって変動するかもしれない「500kbpsの速度を保てるか」と言う部分になります。
かなり前置きが長くなりましたが、速度から見てみましょう。
平日、休日ともに速度が安定している!
結論からいうと、速度は安定して「500kbps」以上の出ています。
一番驚いたことは、平日のお昼(休み)の時間帯(12:00〜13:00)です。『OCN モバイル ONE』の他のコースでは、この時間帯に高速通信であっても必ず速度が落ちます。
しかし、現時点(2014/07/08)では「500kbpsコース」は速度が全く落ちません。
では、計測結果を見てみましょう。
平日12:00〜13:00の速度計測結果
このようにお昼12:00〜13:00の間で速度計測してみたら、すべての時間帯で「500kbps」を上回る結果になりました。
「500kbpsコース」で速度低下がないのは、何気に凄いと思いました。この時間帯は、他社のMVNOを使っていても、かなり遅くなります。
『OCN モバイル ONE』も例外なく、速度が落ちることを確認していますが「500kbpsコース」は全く速度低下せずに使えました。
また、この日だけでなく何日も計測していますが、結果は変わらず、速度低下見られません。
その他の時間帯は?
その他の時間帯も安定して速度がでます。最大速度が「500kbps」ですが、平均して「600kbps」近く出ている印象です。これには驚きですね。
Wi-FiルーターでPCに繋げて使ってみた!
「500kbpsコース」でWi-Fiルーター(Aterm MR03LN)を使ってPCを使ってみました。
速度計測結果は下記の通り。
BNR スピードテストで計測
PCでWeb閲覧をしていると、500kbpsの速度なので数秒掛かってサイトが表示される形です。しかし、使用感としては「意外と使えるなぁ〜」と思いました。
カフェなどに設置してある無線LANが、むちゃくちゃ遅い時ってありますよね。そんな時に、これに繋げて使った方が快適だと思いました。
個人的には非常に満足です。
「500kbpsコース」は動画に向いている?
個人的にもちょっと気になったので、YouTubeで動画の検証をしてみました。
YouTubeで「Quality(画質)」の設定を「360p」で再生していると途中で何度か止まります。ずっとローディングになっている事はなく、5秒〜10秒ぐらい待たされますが、最後までは再生できました。これでは、快適に見れるとは言えないですが、全く見れないということもない状況です。
「240p」でスムーズに再生できますが、とても画質が見れたもんじゃないと思います。
ネット上の情報では「360p」でスムーズに再生できるとの情報もありましたが、わたしの環境では(Ping値も、速度も悪くないけど)、動画再生に関しては「う〜ん…」と、あまりおすすめできるような感じではありませんでした。
ただ、Wi-Fiルーターから繋げてPCでYouTubeを再生すると、画質設定が「360p」でも、止まることなくスムーズに再生することができました。
結論として、微妙なラインです。
動画再生は、途切れ途切れで結構ストレスが溜まる時があるとも言えるし、環境によってはスムーズに再生される時もあるでしょう。
スムーズに一度も止まらずに再生できるかどうかと言うと、その人の環境や帯域で変わってきそうな気がします。
なので、決して快適に見れる保証はありません。
問題点は、読み込み始めの速度の遅さ
少し問題点があると思った箇所もあります。
Webなどを閲覧している際に、アクセスするたびに一瞬の待ち時間があります。1〜5秒間ぐらいローディングがずっと止まった状態になります。データを取得しに行く、上りの回線が遅いのかもしれません。
端末を変えてみても、その症状があり500kbps以上の速度が出ているのにも関わらず、200kbpsと同じような速度に感じてしまいます。このように「読み込みの始まり部分が遅い」のが、かなりネックです。
この症状のおかげで、「少し待たされている」=「遅く感じる」というストレスを感じます。これが無ければ、快適に使えそうな気がします。
『IIJmio』は、低速時にバースト転送をしています。バースト転送とは、低速200kbpsの3秒分、75KBの通信量は速度制限をを設けないという、読み込み初めは速度を速くするものです。このため、『IIJmio』は低速時であっても、体感的に速く感じることができます。
「500kbpsコース」は、バースト転送と全く逆の動作で、読み込み始めが遅いのが実情です。バースト転送を実装してくれると完璧なプランになると強く思いました。
使ってみた感想
『OCN モバイル ONE』が、通常の速度「500kbps」のプランで、「500kbps以上の速度」を出している点は、とても満足です。
ただし、わたしの場合、500kbps(実際には平均で600kbps)の速度では遅く感じました。もう少し速度が速いプランがあればと。1Mbpsぐらいの速度のプランがあれば満足できる結果になると思います。
「もうちょっと読み込み始めの速度が速くしつつ、全体的にもう少し速度が速ければなぁ〜」というのが率直な感想となります。
終わりに
基本的には、格安料金でありながらも、しっかりと「最大速度」が落ちないように対策をしているみたいなので、良いサービス内容だと思います。
ただし、読み込みの始まり部分が遅いことに関しては、改善すればもっと良いサービスになりそうです。そうすれば、かなり使いやすく魅力がグッと上がるプランになると思います。
現状で「500kbpsコース」は、個人で速度体感差が別れるプランだと思います。私自身はちょっとストレスが溜まる感じだと思いました。もう少し体感的に速いといいんだけどな〜。
『OCN モバイル ONE』は月に1回は無料でプランを変えること可能なので、気になった方は実際に体感してみるとよいでしょう。
コメント
コメント一覧 (2件)
素敵なレビューとても参考になりました!
PC Support Kenzoさん
参考になって何よりです!
ただ、ちょっと古い記事なので、現状とはことなるかもしれません….